グリーンクリエイティブいなべ

いなべグリーンラボ シンポジウム vol.1 質問回答公開

令和3年度、3月19日(土曜日)に開催した、いなべグリーンラボ シンポジウム vol.1 「みら...

15
April
2022
投稿者:事務局

令和3年度、3月19日(土曜日)に開催した、いなべグリーンラボ シンポジウム vol.1 「みらいのみどり、いなべのはじまり」オンライン参加者様よりいただいたご質問に対して、パネリストおよびいなべ市からの回答を以下に公開させていただきます。


質問1(登壇者およびいなべ市への質問)

岐阜県美濃加茂市では、千年の森構想という長いスパンで市の森林保全や人との共生を考える構想が打ち出されていますが、いなべでもひ孫の代に家を建てるように木を植えたとか子供が生まれると、桐のタンスを持たせられるように桐を植えたとか。そうやって森林の成長ペースで保全をされてきた文化があるのかなと思っています。今私たちは、身近なことから動くことと同時に、ある程度の将来的な長期スパンでの計画も必要かなと思いますが、この辺りは皆さんどうお考えになりますか。

河村ももこさんからの回答

日本森の十字社の河村ももこです。スギ・ヒノキなどの成長の早い樹種でも、木材として利用するには、40~50年は少なくとも年月を要します。森林を再生していく観点から考えても、長期的で持続可能な計画を立て、そこから逆算し、現時点で何を実行すべきかを考えることが重要です。日本の森に決定的に欠けているものがあります。それは、「道」です。今回のシンポジウムの主題である「グリーンインフラ」の「インフラ」という言葉からも想像が付く通り、森の再生にも、「道路」(林道)は欠かせません。水脈や環境保全に配慮した道路(林道)を作ること。その為には、私達一人一人が自分の所有する山に関心を持ち、行政等から森林の集約化を求められた場合には、積極的に協力し、森まで出向いていくことが非常に重要です。そして、森林を所有していない人も、親戚や知人に森林所有者がいる場合には、ぜひとも所有する山への関心を促していくように話をしてあげることが、自然環境と共生できる未来のために起こせる行動であると思います。

出口省吾さんからの回答

私事ですが先祖が植えた100年生のヒノキ林をこの度皆伐しました。孫、ひ孫のためにと植えた木を私たち(孫)が地元で使いたいと思い、地元の製材所で製材を依頼して、地元の知人の若者の家に使う計画をしています。「百年育った木は材木としてその後の百年間は製品として地上に留める」という思いで私たちは「いなべ自然楽校」を設立しました。のこのような活動は経済発展を重要視する大量生産大量消費の時代には反しているため中々維持していくことすら難しいです。やはり、公的機関や環境を大切に考える人たちの支えがないと持続出来ないことも承知で細々と活動を続けています。今回、いなべ市やグリーンクリエイティブいなべが、グリーンインフラをベースとしたまちづくりを考えていこうとする姿勢に期待かつ、嬉しく思っています。

いなべ市からの回答

ご質問のとおり、「身近なことから動くこと」と「ある程度の将来的な長期スパンでの計画」両方が必要と考えています。身近なところでは、今回のイベントのように市民の皆様が気軽にいなべの自然を体感できる場づくりを、にぎわいの森などで今後も継続して行う必要があると考えています。また、長期スパンでの計画については、本年度「いなべ市グリーンインフラ推進基本方針」を策定する予定です。これに基づき子ども世代、孫世代まで豊かな自然の機能を発揮できるまちづくりを行いたいと考えています。


質問2(登壇者への質問)

東京から拝見しています。地域毎に課題感も違うとは思いますが、住んでいる人と観光に来る人でやはりまちの姿に求めるものは違うと思います。スライド発表で簡単に触れて頂いた部分ではありますが、登壇されている皆さまの視点で、いなべ市がどのような姿になったらいいなというのを教えて頂けたら嬉しいです!

河村ももこさんからの回答

日本森の十字社の河村ももこです。いなべ市は名古屋から片道1時間で来られる地域であり、都市と自然を往復するのに適した環境です。そんないなべ市に求められることは、「都市と自然がWIN-WINになれるバランス力のある自然資源豊かなまちづくり」ではないかと思います。元来都市は地方に自然を求め、地方は都市に経済を求めて来ました。そういった需要を満たしてきたのが、アウトドアでした。しかし、それだけでは一部の自然を熱心に愛する愛好家に限られ、もう少しライトな層を取り込むには不十分でした。デジタル時代において生活や仕事の場所に縛られなくなった今、ビジネスの場においても、デジタルと融合させつつ、森林、河川・湖、農地のフィールド活用の多様化(テレワーク・図書館・美術館・写真館・ファッションショー・結婚式・各分野の展示場・喫茶店・ヨガ・マッサージ店・漫画喫茶・スポーツジム・ドローン研修・防災体験などの活用)、そして自然を手入れするその行為自体をもっとビジネス化し、自然のありのままを大切にしつつ経済に繋げて(雇用の創出)いくことをファッショナブルに近代的に将来性を以て展開していくことが重要であると思いますし、そういったことができるのがいなべ市であると思います。そして、そういったことを実現するには「インターネット」環境の整備が森林等の中に必要です。「グレーインフラ」×「グリーンインフラ」の融合。そのモデルをいなべ市で創出できればと考えています。

出口省吾さんからの回答

いなべ市は観光産業や外から魅力的にみえる町づくりをこれまで重視してきたように地元人の私からは見えてしまいます。にぎわいの森を含め、キャンプ場も・・・。地元の文化や風習も大切にして、これまで地元に住んできた人たちが参加できて大切にできる。誇りをもって愛することができる地元愛ができる要素も町づくりにあると嬉しいです。要約するなら、地元人も訪れる人の両者が満足できる姿が理想です。

以上