三重県では誰もが安心して訪れることのできる観光地づくりを目指すため、「観光施設における心のバリアフリー認定制度」への登録を促進しています。三重県版バリアフリー観光推進事業の一環で実施している「心のバリアフリー研修会」をにぎわいの森で開催しました。
座学
第1部の座学では、バリアフリーの接遇研修として、「パーソナルバリアフリー基準」でのおもてなしについて学びました。
「障害とは個人の心身機能の問題ではなく、社会におけるさまざまなバリアによって生活上の支障や困難が発生している」という考えである「障害の社会モデル」について、知った上で、一人一人の意識を変えることですぐにでも解消できる「心のバリア」に向けた対応方法などについて学びを深めました。

また、最後に「心のバリアフリー認定制度」についても、条件や申請方法について解説いただきました。ハード面でなく、ソフト面でのおもてなしが3つ以上できていれば申請可能です(対象となる施設に限る)。詳しくは下記よりご覧ください。
実地研修
第2部では、シビックコアの施設を利用して、エレベーターやトイレの設備面でのポイントについて学びました。また、屋外のフィールドであるにぎわいの森に出て、スロープや店舗などを実際に車椅子を使って実地体験をしました。
実際に車椅子を使用する体験を通じて、日常の中に多くの「見えない壁」が存在していることに気づかされました。段差や傾斜といった物理的な障壁だけでなく、「声をかけていいのか分からない」「手助けの仕方が分からない」といった周囲の戸惑いが、心理的なバリアとなっていることを実感しました。




研修を通じて、特別な対応をするというものととらわれず、日頃のサービスの延長線上にあるものととらえ、今後は、観光やまちづくりの現場においても、一人ひとりが安心して行動できる環境づくりを意識し、声かけや行動を実践していきます。
講師:NPO法人伊勢志摩バリアフリーツアーセンター 中村千枝氏/中山めぐみ氏