inabe NOWTO 4号に掲載、取材させていただいた、株式会社マルデ鋳器 専務取締役 出口大介さんの記事をWEBでもご紹介!NOWTOには掲載できなかった写真と合わせて、ぜひ!ご覧ください。
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重厚な鋳物に、軽やかな発想を。未来をかたどるメタリックの異端児
建物の中に入ると、ジブリの世界に出てきそうな、巨大でレトロな機械が並ぶ。薄暗い工場で、屈強な体つきをした、その人は黙々と作業を続けていた。
ここは、いなべ市員弁町西方にあるマルデ鋳器。主にガスコンロやガスバーナーを製造する。自社で鉄を溶かして製造から製品化まで一貫して行う日本唯一の工場だ。
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砂に圧力をかけて型を造り、鋳型に鉄を溶かして流し込む。冷えて固まったら砂を取り除き、研磨や検査などをして仕上げていく。
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出口大介さんは、この会社の専務取締役だ。この地で生まれ育ち、中学生だった頃には、工場を経営する父の跡を継ごうと決めていたという。
重厚なものを扱う仕事ではあるが、出口さんならではの軽やかで柔軟な発想が、今、新しい価値を生み出している。
その代表的なものがデザイン性を取り入れた、いなべモノリスという鋳物のブランドだ。美しい柄の蚊遣り器や、ペンホルダー、ペーパーウエイトなど、遊び心のある商品が人気となっている。
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さらに、ワークショップを開催したり、積極的に工場見学を受け入れたりと、その活動の幅は広い。その原動力となっているのは、生まれ育ったこのまちに何か貢献したいという想いだ。
今後は、子ども向けの職業体験スペースをつくったり、市内の工場を巡るスタンプラリーを企画したりしたいそうだ。
出口さんがその手と発想でかたどっていたのは、まちの工業の未来という大きなものだった。
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CREDIT
企画協力:株式会社マルデ鋳器
写真:浦田貴秀
テキスト:桑嶋幹人