● 今回の先⽣ あきこさん
いなべ市内在住
堆肥からこだわり野菜や花を育てている
「つちっこの会」に所属
好物/ ナスやキュウリ
● テキスト・イラスト 川瀬 知代
個展など発表の他、アパレルや書籍などにて絵を描く
「粒粒」の名で食にまつわる活動を行う
2020年末に故郷いなべに拠点を移す
新年度がスタートし、新しい日々が始まった方が多い時期ですね。
気候もよくなり、人も自然界も、新緑のように
ピカピカと輝きニョキニョキと育っていくんですね。
私も、今年度も元気ハツラツで頑張って行きたいです。そのためにも野菜をいっぱい食べたいなと思っています。
そこで、今回教えて下さったのは、あきこさん。
あきこさんは、いなべ市内にて季節の野菜や花を可能な限り農薬不使用で育てています。それらはとても色が綺麗で、野菜は特に本来の甘さや旨味があります。
というのも、あきこさんは「つちっこの会」という堆肥を作るグループに所属され、こだわった堆肥
を混ぜた土で花や野菜を作っているからなのだそうです。
つちっこの会では、家で出る生ゴミに、籾殻や落ち葉、壁土や家畜の糞などを混ぜ、管理された環境の下、毎週切り返しを2ヶ月行い、その後4ヶ月ほど寝かし、約半年掛けて微生物による発酵がまわり、ようやく堆肥が完成するそうです。
堆肥と聞くと臭いのかなと思っていたのですが、全く臭くないと聞き驚愕でした。微生物ってすごい! その堆肥を使うことにより薬など使わずとも、虫も付きにくく、化学肥料など使わずとも、栄養満点の野菜ができるのだそうです。そんな良いことだらけの魔法のような方法があるだなんて!そのために、皆さんで研究と労力を日々重ねられているわけです。なんと素敵な活動でしょう。
あきこさんに好きな食べ物をお聞きしたら、季節で採れる野菜が好き、特にナスやキュウリが好き、とのことでした。
キュウリは5月ゴールデンウィークあたりに植えられ、6月頃収穫。丸かじりしたり、サラダなど生食としてよく食べますが、お漬物にしてもキュウリって大活躍なんです。塩漬け、キュウちゃん漬け、ピクルス、キムチ、味噌漬け、辛子漬け、まだまだありそうです。あきこさんも採れたキュウリを色々とお漬物にされるそうです。
たっぷりの塩漬けにしておいて約半年ほど置き、塩抜きしてから麹漬けにされるとか。「そうすると冬でもキュウリが食べられる。昔の人はそうやって色々工夫して、一年中野菜が食べられるよう考えてやってたんやわね」と教えて下さいました。キュウリ好きのあきこさんの漬物レシピの中でも今回はおすすめのキュウちゃん漬けを教えて下さいました。
あきこさんのお野菜は「いなべ暮らしの市」(inabe’s Shop 前にて毎週金曜に開催)で販売されています。
暮らしの市では、地元の方が作ってくれた採れたて旬の野菜が並びます。
住んでいる土地で作られたものを食べると土や水、風土が自ずと身体に馴染むのか、健康的な身体でいられるそうです。
至ってシンプルな事ですが、気にしてみると食材の多くは地元のものでなかったりします。
現代では中々難しいのかもしれません。
あきこさんが快活に頑張っておられる姿に元気をもらいました。