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いなべのジビエに繊細な手しごとを。杉原 英明さん

獣肉を、さばく。 獣の命に向き合う仕事だから、ワイルドな男性が豪快に作業をするのだ、と思い込んで...

10
November
2021
投稿者:事務局

獣肉を、さばく。

獣の命に向き合う仕事だから、ワイルドな男性が豪快に作業をするのだ、と思い込んでしまっていた。

極めて繊細だ

inabeな人々、杉原英明さん画像

彼の手さばきは、……手の動きに乗り移った彼自身の想いも含めて、極めて繊細だ。
ナーバスになるのは、命をいただいたからこそ大事に使いたいという、強い信念があるからだという。
丁寧にその肉を扱う手には、食材への愛情があふれていて、その所作も美しい。

そして、その目。
自然の摂理に身を置き、精神的な自由を渇望しつつ、矛盾する人の営みの清濁すべてを受け入れている彼の目は、どこか憂いを帯びていて、印象的だった。

その彼とは、いなべのジビエの魅力を伝えようと、日々獣肉と向き合う、杉原英明さん。

獣肉の解体、食肉への加工まで

inabeな人々、杉原英明さん画像

いなべ市地域おこし協力隊として「獣害対策による獣肉の有効利用の推進」というミッションを受け、藤原町のいなべ市ジビエ工房で解体、食肉への加工まで、一貫して行っている。

いなべ市のデータによると平成29年度以降、地元の猟師の活動や豚熱の影響で獣害被害が減少しているが、それでもシカやイノシシは今も、地域の食を支える農家の人たちにとって大きな脅威となっている。

根本にあるのは「もったいない」

inabeな人々、杉原英明さん画像

杉原さんの活動拠点である、いなべ市ジビエ工房は、安全・安心で高品質な製品を提供する店舗として、「みえジビエ」()のホームページに掲載されている。

捕獲されたシカは、とどめを刺した後、捨てられているケースがよくあるそうだ。
その現状を杉原さんは「もったいない」と悲しみ、ジビエの美味しさを伝えながら、できるだけ捨てる部分をなくして「いただこう」と心がけている。

※ みえジビエとは、次の要件をすべて満たすものをいう。
(1) みえジビエハンターが、三重県内で捕獲した野生の鹿や猪であること
(2) みえジビエフードシステム衛生・品質管理マニュアルに基づき、みえジビエ解体処理施設で、みえジビエ解体処理者が人の摂食用に処理した枝肉や 精肉であること

さまざまな経験を積んできた

inabeな人々、杉原英明さん画像

杉原さんは、四日市市出身。
これまで、芝農家、漁師のほか、バーにいたるまで、多種多様な職について、さまざまな経験を積んできた。

衣食住の根幹を支える一次産業に強い関心があり、いなべ市でジビエ活用に関する協力隊の募集があると聞いて、応募したそうだ。

ジビエは高貴な味わい

inabeな人々、杉原英明さん画像

これが、杉原さんが加工した、自慢の鹿肉。
オススメは、ステーキだという。実際に食べると、肉の香りも含めて美味しく、高貴な味わいが口の中に広がる。

ジビエが苦手な人こそ、杉原さんの加工した肉を一度食べてみてほしい。
肉そのもののうま味に驚き、ジビエへの印象がすっかり変わる。

いつくしむ姿勢がある

inabeな人々、杉原英明さん画像

その手さばきに、愛がある。
その愛が本物であることは、作業を見ていれば、すぐに感じ取れる。

酸いも甘いも、情も無情も、色んな経験をしてきた大人の杉原さんだからこそ、たどり着けた境地。

いいか、悪いかではない。
きれいごとでもない。

杉原さんは大自然の命をいただくのに大切な作法として、常に謙虚に、食肉をいつくしむ心の姿勢を持っていた。


いなべ市ジビエ工房

■住所
いなべ市藤原町上之山田字舞谷1134-16(地図)
■WEB
公式サイト
■Instagram
@hidebo9533

【Credit】

〈取材撮影ご協力〉いなべ市地域おこし協力隊「獣害対策による獣肉の有効利用の推進」杉原 英明さん

〈撮影・取材〉グリーンクリエイティブいなべ

〈取材日〉令和3年10月