グリーンクリエイティブいなべ

2018.09.27 掲載

八風農園 寺園風さん

投稿者:企画部 政策課

名古屋から電車で1時間と少し、車でなら1時間もかからないほどの場所に位置する三重県いなべ市。

花の百名山にも選ばれる藤原岳や、笹原が広がり伊勢湾までの眺望が素晴らしい竜ヶ岳は、まるでいなべの町の人々の暮らしを見守っているかのよう。

山との共存が、この町の豊かな水や土、空気を育んでいるのを全身で感じる。

野良着と笑顔がよく似合う彼は、2013年に名古屋からいなべ市に移住し、新規就農者として農園や食堂を営む寺園風(ふう)さん。

奥さんと子どもと3人で、畑近くの古民家で暮らしている。

寺園風1

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『いなべ』と『名古屋』の
二拠点をつないだ可能性。
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風(ふう)という名前は、"アジアに風を吹かせるひと" になるよう名づけられた。

元々、農家になりたいと農業高校を卒業。その後、『名は体を表す』とでも言わんばかりに2年間、アジア中を旅し、世界の様々な国の食や農業、そして自然と寄り添う『暮らし』を、その目で見てきた。

帰国後は名古屋の飲食店で働きながら、週の半分以上は自然農法で農業を営む農家のもとで修行。

そして満を辞して25歳でいなべ市に移住。

寺園風4

農業を軸に、自身で作ったおいしい野菜を町のひとたちにも食べてほしいという想いから、友人たちと協力し合い『上木(あげき)食堂』をオープン。

昭和の面影が残る商店街のある町 『阿下喜(あげき)』の旅館跡地を再生して作られたこの食堂は、住民たちにも愛されるダイニング的存在。

上木食堂

野菜は他にも、三重県内の直売所、名古屋の商店やマルシェなどに定期的に卸している。

中でも対面販売が魅力のマルシェでは、寺園さんの無農薬野菜は人気。

いなべという大自然の中で暮らしながら、名古屋という都市に野菜を届ける。

そんな二拠点生活から『いなべ暮らし』の可能性を感じる。

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いなべの町全体が『可能性』。
八風農園から世界中の食卓へ。
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農地を探していた際、『八風(はっぷう)街道』という名前を見かけたことがきっかけで、いなべの町に興味をもった。

特に縁もなかったいなべという町に縁が生まれ、耕す土地を得た。

屋号は『八風農園』。

アジアに風を吹かせるには、とっておきの名前である。

その八風農園が掲げるコンセプトは『みんなの食卓を揃える』こと。

『食卓』に必要なものは、自給自足と、その仲間たちとで協力しあうことで揃えることができるのではないかという『暮らし方』の提案でもある。

それは野菜だけではなく、パンを作る小麦、味噌やチーズなどの加工品から、衣服になる羊毛、さらには環境エネルギーまで。

寺園風3

自分たちの目で、手で、届くものを信じて、作り、価値を交換する。

そして子供の代まで絶やさず循環させるという暮らしは、アジアをその足で旅し、食料や労働問題の現実、先進国と後進国の対比をその目で見てきた彼だからこそ、自然に、素直に発信できることのように思う。

藤原岳を見つめながら「いなべというフィールドは、『食卓を揃える』ための可能性に溢れている」と彼は笑顔でいう。

このいなべの旅の始まりに、そんな力強い言葉を聞いて、いなべという町は、そこに暮らすひとたちみんなにとっての可能性であると感じることができた。

寺園風2

八風農園(はっぷうのうえん)
八風農園は、おいしい野菜と麦を育てるために、おいしい水を求めていなべ市に移住してきた寺園風さんによる農園。

自然派農法にこだわり、安心で安全な農作物を作っている。

寺園風5


【Credit】

〈撮影場所〉
八風農園(藤原町下野尻)

〈取材撮影ご協力〉
寺園 風さん

〈撮影〉
フォトグラファー 熊谷 義朋

上木食堂写真のみ いなべ市役所 企画部 政策課撮影

〈インタビュア・テキスト〉
PARK GALLERY 加藤 淳也

〈衣服〉
toi designs とわでざいん
着るひとの暮らしに寄り添いながら『永遠(とわ)に着られる服作り』をコンセプトに名古屋を拠点に活動するブランド。
野良仕事でほどよく土に汚れたパンツは柔らかくて力強い麻でできている。

寺園風6

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