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2020.01.14 掲載

いなべフェアトレードタウン

投稿者:企画部 政策課

皆さんは、「フェアトレード」という言葉をご存知だろうか。
フェアトレードというのは、発展途上国でつくられているものを適正な価格で継続的に購入し支援することで、弱い立場の
生産者や労働者の生活改善と自立を目指す取組として、世界中に広がっている。
また、地域社会のあらゆる分野の人たちが参加して、まちぐるみでフェアトレードを応援し、広げる運動をしているまちの
ことをフェアトレードタウンという。
フェアトレードタウンに認定されるためには6つの基準を満たす必要があり、そのうちのひとつである地産地消など
地域活性化を目指す項目は日本独自の基準だ。

今回は、いなべ市でフェアトレードタウン運動を行ってきた「いなべフェアトレードタウン」会長の羽場さんにお話を伺った。

羽場さんは昨年5月に友人ら2人とともに市民団体を立ち上げた。
行政とも連携しながら、イベントへの参加や地域への働きかけを通して、市内にフェアトレードの考えを広めてきた。
その努力が実を結び、現在会員数は56人にまで増え、今年の9月23日には全国で6番目のフェアトレードタウンとして認定された。
団体の立ち上げから認定までの期間は日本で最短で、フェアトレードに関わる人たちから注目されている。

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結婚を機に夫の実家がある北勢町阿下喜に引っ越した羽場さんは、独居老人が増え、シャッター街化していく阿下喜の商店街を見て、
地域の未来に不安を覚えたそうだ。
そんななか、2012年に友達とミャンマーに行ったことがきっかけで、現地で麻薬の原料の代わりにそばの栽培・普及活動を行う
NPOに所属した。
活動の中でフェアトレード運動をしている人たちと関わり、「発展途上国を支えることにもつながり、地域の活性化も促せる
フェアトレードタウンにいなべ市もなればいいな」と思ったそうだ。
だがその当時は、こんなにも大きな団体になるとは思ってなかったと笑う。

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いなべ市でのフェアトレードタウン運動の始まりは、2016年9月に阿下喜の上木食堂で偶然市長に会ったことがきっかけだ。
フェアトレードタウンに対する思いを熱く語ったところ、「おもしろそうだから考えてみよう」と受け止めてもらえたそうだ。
そして準備が整った昨年5月から本格的にフェアトレードタウン運動を開始した。

現在の活動内容は主に3つある。
1つ目は、地域の若者にフェアトレードを知ってもらうことだ。
6月には地元の高校で授業を行い、12月には小学生を対象に図書館でイベントを開いた。
図書館でのイベントでは、子どもたちが親しみやすい人形劇やクイズでフェアトレードのことを知ってもらう機会をつくった。

2つ目は企業や地元の店舗にフェアトレード商品を普及させることだ。
例えば、企業での出張販売や、企業主催イベントでの物販などを行っている。
中には社員用にコーヒーを購入するところもあり、意識が広まりつつあるそうだ。
販売することで活動を知ってもらい、商品を買ってもらうことで活動の応援につながる。
今回の撮影場所でもある桐林館でもフェアトレードのチョコレートやコーヒーを販売していた。

3つ目は他市町との交流。
県外の講演会やシンポジウムに呼ばれることもある。
自分たちの活動を知ってもらうことでフェアトレードタウンを目指す人が増えたり、いなべ市のことを知ってもらえると嬉しいと話した。

フェアトレードマーケット.jpg

                               (羽場さんご提供:フェアトレードマーケットの様子)

その他にも、いなべフェアトレードタウンの会員はみんな個性的で、それぞれ自分の得意なことでフェアトレードの輪を広めている。
下の写真のお菓子は、地元店舗とのコラボ商品だ。
発展途上国といなべでつくられた産品を使用した商品のため、世界と地域のどちらにも光が当てられている。

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「若いころは名古屋がすごい好きで、よく遊びに行ってたんやけど、名古屋からいなべに帰ってくる感じが平成から昭和に
トリップするみたいでとても好きだった」と話す羽場さん。
高速道路が整備されているなど恵まれた環境だけど、いなべの昭和っぽさを残しながら発展していってほしいとも願う。

フェアトレードの商品を普及させ、地域内の交流を増やすことで、阿下喜の商店街を再び栄えさせたいという大きな夢を持っている羽場さん。
彼女は令和の時代を切り開くリーダーとなるだろう。

羽場さん 桐林館まえ.JPG


Credit

〈撮影場所〉

 桐林館喫茶室

〈取材撮影ご協力〉

 いなべフェアトレードタウン 会長 羽場典子さん

〈撮影・取材〉

 いなべ市役所 企画部 政策課

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