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Inabeな人々|日出山 東林寺 白滝

ふわふわと雪が舞う中、しなやかに流れる白滝を背に、ひょっこりと顔を出す3人。 チャーミングなポー...

3
February
2018
投稿者:企画部 政策課

ふわふわと雪が舞う中、しなやかに流れる白滝を背に、ひょっこりと顔を出す3人。

チャーミングなポーズをとるのは、いなべ市最北端の地、北勢町川原に住む、東林寺総代の松葉市郎さんと松葉和夫さん、近藤義和さんだ。

幼い頃からずっと一緒で、今でもお互いを “ちゃん” 付けで呼び合うほど仲が良い。

東林寺1.jpg

白滝は東林寺境内東方にあり、取材当日は、雪をまとった美しい木々に囲まれていた。

冬でも凍ることなく、清くやわらかな水が岩盤を伝って流れ落ちる。

今回は、自治会長の浅山さんと、総代の皆さんに、東林寺や川原での暮らしについて話しを伺った。

東林寺2.jpg

今から約1200年前。行基菩薩が、白滝に沈んでいた光を放つ木で、聖観世音菩薩の像を彫り、安置するために建てた祠が今の「東林寺」といわれている。

このことから、地元では東林寺を「観音さん」と親しみを込めて呼んでいるそう。

総代は村からの役で3年を1期とし、2期6年務める。

元旦祭や縁日をはじめとする、年中行事の仕切りや、組の担当者と一緒に掃除や花を変えるなど、東林寺の管理全般を行う。

東林寺3.jpgふと、本堂階段下にある掲示板に、愛らしい絵と滋味深い句が書かれていることに気付く。

これは、月1回、臨済宗書物から選んだ一句を、近藤義和さんがしたためているものだ。絵は、近藤さんの奥さんがチョークで描いており、夫婦の合作だという。

こちらも総代の大切なお務め。

東林寺4.jpg

総代を務める皆さんが小学生だった昭和22年頃は、大家族が当たり前で、川原の人口はとても多く同級生もたくさんいたそう。

山で遊び、かくれんぼをしたり、かつてドンコと呼ばれていた「カジカ」を捕まえたり、サンショウウオをモリで突いて食べたこともあるとか。

その味は、美味しい白身魚の味がするそうだ。自然豊かな川原だからこそ出来る遊びを、思いっきり楽しんでいたとのこと。

自身が生まれ育った馴染みのあるところで、ずっと一緒に暮らす友がいること。

そのことこそがここで暮らす魅力であると教えてくれた。

「この先も、東林寺を今のまま維持していきたい。」と力強く語る、総代の皆さん。

変わらぬように、その場所を守り抜くことの大切さや大変さは、その地に長く暮らしてきたからこそ分かることだ。

生まれ育った地への愛情と使命感に、川原の未来を感じた。

東林寺5.jpg

秋には真っ赤に染まる紅葉が美しく、四季折々の彩りを楽しむことの出来る東林寺。

運が良ければ、虹をまとった白滝が見られるそうだ。

白滝に来るなら、特にお勧めの季節は夏とのこと。ひんやりとした滝の冷気は、マイナスイオンたっぷり。

ぜひ足を運んでみてほしい。

【Credit】

〈取材撮影ご協力〉

 東林寺 信徒総代

近藤 義和さん

  松葉 和夫さん

  松葉 市郎さん

  ※2018年1月末日をもって、上記3名の内2名は交代となります。

 秋葉神社 氏子総代

  一木 一男さん

 川原 自治会長

  浅山 光敏さん

〈撮影〉

 高橋博正写真事務所/山の上スタジオ

  高橋 博正

〈インタビュア〉

  いなべ市役所 企画部 政策課